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はじめてシリーズ 第7弾 はじめての表装 表装一樹会
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2025.11.12 UPDATE
文化初心者の方に文化について知ってもらうための特集記事「はじめてシリーズ」の第7弾です。
今回は「はじめての表装」ということで、表装一樹会の三塚康英先生にお話を伺いました。
「表装」という単語そのものはあまりなじみがないかもしれませんが、実はみなさんにとっても身近なものです。
この機会に表装の魅力をより深く知っていきましょう!
★表装とは
表装は表具とも呼ばれ、掛け軸・屏風・襖などを総称する名称ですが、一般に掛け軸のことを指します。
平安時代に中国から仏教の伝来に伴い、仏像画や曼荼羅絵図の礼拝用として日本に入って来ました。
約1000年の歴史を持っています。
江戸時代になると茶の湯が盛んになり、本紙(書や絵の描かれている本体部分)となるところは書や各種の絵画等になり一般化され、
現代では床の間や部屋の壁面を飾るように色々に形や作り方も変化してきました。
★表装の種類
表装は本紙を引き立てる役目をするもので、様々な種類があります。
本表装(大和仕立て・三段表装)、丸表装(袋表装)、茶掛け、くり抜き表装、創作表装などの種類の中から、本紙に最も適した形式を選んで作ります。
みなさんが掛け軸と聞くと、下の作品のような本表装と呼ばれる掛け軸をイメージされるかと思います。
一樹会では本紙によっては本表装で作る場合もありますが、多くは創作表装と呼ばれる、型にとらわれずに自由に作ることができ、和室以外にも合わせやすい形式の表装を作っております。

本表装
★作品の作り方、楽しみ方
一樹会では衣料用の布地や本表装用の布地等を使って個性豊かな作品を作っています。
主役である本紙を引き立てるためどのような形・デザインにするか、
周りに持ってくる布地の調和をどのようにするかの色合わせ・がら合わせが一番難しいところです。
作っている作品には以下のような様々なものを使い、本紙の作品をいかに生かすか工夫しながら楽しんでいます。
①祖母・母の子供の時の着物や帯
②自分の書・友人の書・絵手紙・色紙
③旅行等で購入したハンカチ・手ぬぐい・タペストリー
④黒竹・すす竹
⑤軸先(一番下の軸棒の両端部分)に木のもく目を生かした手作りの物



★初心者の方に向けて一言
玄関の靴箱の上にでも掛けられるような掛軸をいくつか作って四季折々に取り替えれば楽しい雰囲気が出ると思います。
デザイン、大きさは自分流に考えれば良く、和室でも洋室でも気楽に掛けられる物を作って楽しみましょう。
表装一樹会 会員紹介 表装一樹会
いかがでしたか?
今回記事の作成にご協力いただいた表装一樹会は11月15日(土)、16日(日)に竜美丘会館で開催する「第36回文協文化祭」にも参加されます。
両日とも302号室にて作品の展示を行っております。
また、16日(日)13:30~16:00に2階エントランスホールにて掛け軸の生地を使ったコースター制作を行います。
みなさまぜひ足をお運びください。
第36回文協文化祭については下のリンクをご確認ください。
岡崎文化協会ホームページ 第36回文協文化祭を開催します!
岡崎市ホームページ https://www.city.okazaki.lg.jp/300/303/p043871.html
今回ではじめてシリーズの更新は一旦終了となります。
今後も機会があれば随時更新をしていきますのでお楽しみに!
他の特集記事もどしどし更新していきます!